with mzk.

聴いた音楽について綴ります。

「妄想日記」 ZORO

シド結成10周年記念企画だとかなんとか。噂のカバーシリーズ。各バンドがカップリングに代表曲入れたり、新曲入れたり、色々戦略が見えて、そういう面でも面白い企画です。

 

「妄想日記」 【初回生産限定盤 B (Black Edition)】

「妄想日記」 【初回生産限定盤 B (Black Edition)】

 

 ZOROは2人になって路線変更してから好きになったくちです。
まず、PVやアーティスト写真、ビジュアル面でのセンスがすごく好き。私の様な凡人ではチョイスしないであろう服、アクセサリー。オシャレで高級感があって、でもどこか細部に毒が盛られてて。全く隙のない芸術品の様。それがあのクラブサウンドにハマっていて魅力的。


表題のカバー「妄想日記」は、ZOROお得意の電子音ぶりぶり効いたクラブサウンドで、上手く持ち味が出てて彼等らしいサウンドに仕上がっている。そして注目すべきは全編英語詞でカバー。龍寺の発音も課題が残るが、いかんせんメロディーラインがわびさびの効いた歌謡曲風なのでイマイチ噛み合ってない印象。歌詞の意味を考慮しての事からか文字数合わずに音伸ばしてたり。原曲を知っているだけに余計にそう感じてしまう。しかし、サウンド面での親和性やZOROらしさを考えてのこのチャレンジは好感。

そしてそして、M-3「ペスト」が素晴らしいです。曲の冒頭で龍寺がタイトルを呟いてそこから、ツタツタの16ビートが流れて混沌。バンド色強いがエエ具合にシンセも効いてる。歌詞は戦時中を連想させる内容。『赤富士・残暑・蛍火』等の日本詞ならではの美しいワードが、曲調と大きなコントラストを成して印象に残り、それがぽつりぽつりと胸に染み入る。

 

私が購入したのはBタイプで、Aは「ペスト」の代わりにTeddy Loid氏がリミックスを手掛けた「POLICE」が収録。POLICE好きな曲だけにこちらも非常に気になります。iTunesでバラ売りされるのを祈るばかりです。笑

ヴィジュアルシーンの中では、比較的マイペースに活動してる様に見えるのですが、このままブレずに良曲を作り続けて欲しいですね。そしてアルバムならどんな世界を打ち出してくるのか期待して待ってます。

「this cloudy」 amber gris

 

this cloudy

this cloudy

 

CDの帯がライブのチケットになっている面白い仕様。かなりお得なサービス。関東に住みたい。

 

表題曲は、kanameさん作曲。曲調は、「bright or blind」の様な、静と動のコントラストが割とハッキリしてて、サビで一気に駆け抜けて、キャッチーでkanameさんらしい王道な曲です。今回も平常運転。と言えば悪く聞こえますが安心のクオリティーです。

 

ファンなら周知の通り、機材車が盗難に遭い。結局、車も楽器も戻ってこずで、各パート、 一からシステムを新調したとの事ですが、サウンド面はほとんど変わらず。個人的には変化を期待してたのですが、ある種の到達点に達しているという事なのかな。結成当時からずっと音源聞いてますが、どのCD聞いてもあまりにも一定なので…。確かに良し悪し色々あるんだろうけど、例えば「今回はスネアの音高いな。」とかそういう変化も追えれば、もっと聞いてて楽しめるだろうなと思う。もっと、冒険して欲しい。

 

今回は詞がたまんないなー。主人公と生前の故人との距離感、やり取り、亡くなった後、故人を偲ぶ感情、それら全てが映像さながら鮮明に感じられる。この曲の詞に手鞠さんの死生観をどのぐらい反映されているのかはわかりませんが、そこから充分に汲み取れる程の純粋な人柄、繊細だが力強い姿勢に胸打たれ、同時に憧れる。

 

Ruvieの時からそうですが、手鞠さんの歌を聞いてると、疲れた心が浄化される感覚に陥る事が多々あって、私がamber grisが好きな理由ってきっとソレなんだと思う。

 

 

 

Rate:★★★★・